入社二日目の朝、私はいつもより三十分早く会社に着いた。前の日に「初日はとにかく挨拶をしっかりしよう」と心の中で決めておいたので、今日も同じようにするつもりだ。エレベーターを降りると、総務部の先輩が出勤してきたところだった。
「おはようございます」と頭を下げると、先輩は笑顔で「おはよう、早いね」と返してくれた。オフィスに入ってから、まず自分の机の周りを整え、パソコンを立ち上げる。昨日教わったメールのフォルダ分けを、忘れないうちに練習しておこう、と思った。
九時前、課長が私の席に来て、「今日の午前中、営業部との打ち合わせに参加してもらいたいんだ。議事録を取る係、お願いできるかな」と声をかけてきた。私は少し緊張したが、「はい、喜んで参加させていただきます」と答えた。議事録を取るのは初めてなので、あらかじめノートを準備しておく必要があると思われる。
打ち合わせが始まると、営業部の方々は専門用語をどんどん使い続ける。内容の半分くらいは理解できたが、残りは正直よく分からなかった。分からない部分は後で先輩に確認させてもらおうと自分に言い聞かせながら、とにかく発言をメモに取ることに集中した。
会議が終わった際、課長が小さな声で「最初は誰でもそうだから、気にすることはない」と言ってくれた。その一言で、肩の力がすっと抜けた気がした。
午後、部長がオフィスを回ってこられた。私の前で立ち止まり、「来週の報告書、今週中に下書きを出してほしい。初めての場合は、テンプレートを使ってもらって構わないから」とおっしゃった。私は「承知いたしました。来週の月曜までに仕上げるつもりです」と答え、机に戻ってから、もう一度だけ深呼吸をした。
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