去年の春から、私はエレベーターをやめて、階段を使うことにしました。理由はとても小さなことです。ある朝、急いでいる時にエレベーターがなかなか来なくて、仕方なく階段を上ってみました。七階まで上ると、少し息が切れましたが、頭の中がすっきりしたのです。その日から、階段で上ったり下りたりするのが習慣になりました。
最初の一週間は、足が重くて、途中で休みたい気持ちになりました。でも、ゆっくり歩きながら窓の外を見ていると、いつもは気づかない空の色や、木の葉の動きが見えてきました。エレベーターの中では、みんな黙ってスマホを見ています。階段には誰もいなくて、自分の足音だけが響きます。この静かな時間が、思ったより好きになりました。
体の調子も少しずつ変わってきたと思います。前は駅の長い階段を見ると、ため息が出ました。今は、自然に一段ずつ上れるようになりました。友達に話すと、「運動のために、私も階段を使ったほうがいいかな」と言っていました。無理をする必要はないと思いますが、一日に一回でも、エレベーターを我慢してみると、小さな発見があるかもしれません。
もちろん、疲れている日は、エレベーターに乗ります。急いでいる日もそうです。でも、余裕のある朝には、ゆっくり階段を上ることにしています。自分の足で、自分のペースで進む。その短い時間が、一日の中で一番静かで、一番自分らしい時間になりました。
Tokenizing… (first load downloads ~17MB dictionary)