むかし、むかし、ある村に、貧しいお百姓さんが住んでいました。冬になると、田んぼは雪でいっぱいになり、食べ物もほとんどありませんでした。
ある寒い朝、お百姓さんが田んぼを歩いていた時、雪の中に小さなかめが一匹たおれていました。かめは寒さで動けなくなっていたそうです。「かわいそうに」と言いながら、お百姓さんはかめを家に連れて帰りました。
お百姓さんはかめを温かい布に包んで、少ない食べ物を分けてあげました。「元気になってほしい」と思っていました。まいにち水を変え、優しく話しかけました。かめはだんだん元気になり、お百姓さんの手から食べ物を食べるようになりました。
春が来ると、かめは外へ出たがりました。お百姓さんは「また会いに来てね」と言って、かめを池まで連れて行きました。かめはなんども振り返りながら、水の中へ消えて行きました。
その夜、お百姓さんが寝る前に庭を見ると、げんかんに小さなふくろが置いてありました。中には黄色い種が一つ入っていました。「かめのお礼かもしれない」と思って、お百姓さんは次の日、庭にその種を植えました。
夏になると、種から不思議な木が生えてきました。秋には、その木に金色のお米がたくさん実りました。お百姓さんは一人で食べないで、村のみんなに分けてあげました。村は二度と飢えることがなくなったそうです。
優しい心は、かならず帰って来るものだと、村の人々は今も語り伝えています。
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