日曜日の朝は、いつもより少し早く目が覚める。平日はアラームに起こされてばかりだが、休みの日は不思議と自然に目が開くようになった。窓の外はまだ静かで、たまに自転車の音が聞こえるだけだ。私はベッドから出て、キッチンで水をコップに注ぎ、そのままベランダへ向かう。ここ数年、植物の世話をするのが日曜の習慣になっている。
ベランダには、小さな鉢植えが六つ並んでいる。バジル、ミニトマト、パキラ、それから名前を忘れてしまったサボテン。ひとつひとつ様子を見ながら、葉の色を確かめたり、土の乾き具合を指で触ったりする。元気なものもあれば、少し元気のないものもある。水をやっているうちに、心も少しずつ落ち着いてくるような気がする。
去年の春に引っ越してきたころは、植物のことなど全然わからなかった。枯らしてしまった鉢もいくつかある。でも、毎週手入れをするうちに、少しずつ植物の小さな変化に気づくようになった。新しい芽が出ていたり、葉が昨日より開いていたり。そんな小さな発見が、静かな朝の楽しみになっている。
水をやり終えたところで、隣のベランダから老夫婦の笑い声が聞こえてきた。毎週日曜の朝、二人でコーヒーを飲みながら新聞を読んでいるようだ。私はその声を聞くたびに、なんだか安心する。言葉を交わしたことはほとんどないけれど、同じ時間を同じ場所で過ごしている人がいる、ということが心強い。
植物に水をやるために早起きをしているわけではないけれど、このゆっくりした時間のおかげで、月曜からの一週間を少し優しい気持ちで始められるような気がしている。
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